6年生の「長い夏期講習」の目的は
いよいよ6年生の夏休み。秋から始める志望校過去問演習に向けた、最後の追い込み時期となります。
中学受験生はこの夏、本当に忙しい毎日を送ります。なんといっても、どの塾も夏期講習の日数が多い!娘が通う日能研と、友達が通っているサピックスの夏期講習の日数は1日違いでした。どちらも夏期講習は7月の1学期終業式の翌日から始まり、お盆期間のみを空けて、お盆明けから始業式ぎりぎりまで続きます。
そして息をつくまもなく、9月からの塾の通常授業開始。いきなり公開模試があります。皆ここで「夏休みに頑張った成果を出す!」という意気込みで受けに来ます。そして志望校別の日曜特訓、過去問開始・・・ここからは本当に一日一日が無駄に出来ない時期に入ってきます。
9月から本気で志望校対策に入れるようにするために、夏休みはやはり「基本定着」「弱点補強」が最重要です。夏期講習も今までの全分野総ざらいをするので、相応の講習日数を取っているわけです。
1日何時間勉強する?内容は?
娘の場合、夏休みは1日約12時間を目安に勉強していました(夏期講習のある日は講習の時間を含む)。最初は「どのくらい出来るのか分からない」ながらも、まずは目安となる多めの勉強時間を予定してみます。12時間という長さは娘と相談して決めたのですが、一日トータルでこの時間をクリアできるとやはり嬉しいようで、「明日もやるぞ!」という気になるようでした。
結果的にほぼ全日12時間近くをキープ。勉強量は確保出来ました。
講習の無い日はどうしたか。子供が夏休み中でも両親は働いていますので、親子そろって家を出発し、親は出社、娘はお弁当を持って塾の自習室で夕方まで勉強。自習室は1教室だけだと5年生なども居て気が散りがちですが、娘の通う教室ではMクラス専用の自習室を用意してくれたので、集中できたと言っていました。
勉強時間だけでなく勉強の質(内容)も大事です。
夏期講習を詰めながらも、自分だけのための勉強(弱点補強など)も組まなくてはなりません。目的は上にも書いたとおり「基本定着」と「弱点補強」。
我が家では、娘に各強化の弱点抽出をさせるわけにはいかないので(時間が勿体ないので)、親が今までのテキストをひっくり返しながらピックアップしました。
日能研の通期テキストや夏期講習のテキスト、今までの育テや公開模試などをチェックして、バツだった問題をピックアップ。苦手分野については特に意識して、特に通期と夏期講習のテキストはすべて解けるように、出来なかった問題は何度も繰り返しました。
また、日能研における算数の夏期講習テキストの巻末に「428題」という基本問題の掲載があり、これが算数全分野を網羅しているため、先生からはこの428題を確実にマスターするように言われ、○月○日までに別冊のノートにこの428題を終わらせて提出するよう指示がありました。
この手の指示は早く提出できたらカッコいい、ということで算数が好きな子たちは俄然燃えますので、娘も7月に指示を受けた後、かなり早いペースで頑張っていました・・・。
また、社会のメモチェ暗記も始め、過去問への取り組みも一部先生からの指示があり、併願校の過去問もいくつか解いたりしました。
夏休みの宿題・自由研究はどうする?
学校から出される「夏休みの宿題」。小学校によっても色々あると思います。しかしここに時間を掛けてしまうことは出来ません。
なので、夏休みの宿題は速攻で7月中に終わらせます。出来るなら終業式から数日以内に。そうすると、気持ち的に少し余裕が出ます。もっと言ってしまえば、出ることが分かっているもの(学校にもよりますが、夏休みの自由研究など)は夏休みに入る前に済ませてしまうのも有りです。
また、自由研究でいえば、受験生であれば受験内容に直接関係のあるものがオススメです。理科や社会であれば結構あると思います。
・7月に選挙がある場合など、公民の勉強を兼ねて選挙制度や与野党のまとめなど
・夏に咲く草花や星座の調べ物(花の仕組みは受験にもよく出る。実物があればなお良し。)
・料理やお菓子づくりを「化学実験」に見立ててその考察とまとめ(料理はまさに化学反応。ムラサキイモの粉末などを使ってのクッキングなど)
・その他理科や社会で、自分の弱点分野のまとめ(地理の特産物・高速道路・歴史年表など)
読書感想文が宿題に出された場合は、中学受験によく出る小説などを課題にして書くのもありだと思います。テストや入試に引用されるのは一部のみですが、通して読むと面白さがよく分かりますし、題材にされる文章はその後もどこかでまた使われることが多く(主人公の心情の変化がうまく書かれていてたり、テーマが良かったりするのでしょう)、読んでおくと良いと思います。
メモ
少し余談ですが、娘は日能研のテストの素材文とされた「次郎物語」が面白かったらしく、夏休みの勉強時間の隙間に読んでいました。すると、様々な部分で「あ、ここ以前テストで見た」「ここも読んだことある」と思い当たる部分が多数あったそうです。主人公が幼い子供から青年まで成長していく過程を描いた小説だと一見同じ本だとは気づきづらいのでしょうが、名著は多用されるということかと思います。次郎物語、オススメです。
また、夏休み期間に小学校で行われるプールがありますが、都内で大手塾に通う、中学受験をするお子さん方はほぼ行けていないのではないでしょうか。プールがある7月下旬あたりと8月下旬は夏期講習がみっちり入っているからです。
我が家も5年生のときは数日間行くことができましたが、6年生の時は「学校のプールは行けないね」ということは本人も分かっていました。
とにかく6年生の夏休みは「やるべきことが多い夏」になりますので、秋口に「もっと勉強しておけばよかった」といった後悔をしないよう、全力で取り組めるとよいですね。