「超マイペース」と「浮きこぼれタイプ」
私には兄・妹の構成で2人の子がおり、二人とも中学受験をしています。
上の子は「超マイペース」な男の子。好奇心は強いが落ち着きがない。自分の好きなことは徹底してのめり込むけれど、それ以外のことはほったらかし。
そのマイペースさに高学年では時々いじめられてしまい、親としてはハラハラしていました。
下の子は優しいけれど気は強い女の子。友達付き合いは慎重なのに、なぜか人前に立つことを選ぶ。家事のお手伝いなど達成感を得られることが好き。
勉強系は手っ取り早く達成感が得られるせいか結構好きで、その分学校の勉強に満足できなくなってしまう「浮きこぼれタイプ」。
子供が小さい頃は「この子に中学受験をさせるべきか」とよく自問自答していました。時間もお金も掛かるものですから熟慮は必要です。
その結果として、「二人とも、中学受験をして本当に良かった!」と今は心から思います。
どんな子にも、その子に合った学校がある!
上の子のようなタイプは中学受験には向いていないようにも思えますが、その逆!むしろ中学受験をすべき子だと思います。
なぜなら、公立中はほぼ一律的な授業にならざるを得ないですが、私立なら面倒見の良い学校を選ぶことができ、特に中学時代は手厚くフォローしてくれる学校が多いからです。
学校から配布されたお便り類やプリントは学校がファイルをホームページにアップしてくれているので、必要なものをそこからダウンロード出来たりします。
この話を学校説明会の際に聞いて、親としてはどれほど安堵したことか(笑)。プリント類をよく失くしてしまうお子さんには必須ともいえる仕組みです。
それと、もうひとつ大きな要素。それは人間関係です。
地元の公立中へ行くと小学校の頃の友達づきあいを少なからず引きずる所があります。
息子においては、それらを断ち切って環境を変える必要がありました。校風選びも大事で、息子には文武両道系ではなく穏やかな校風の学校を選びました。
もちろん活発な男子も実際は多いですが、全体的には穏やかな雰囲気なので、息子の居場所もちゃんとありました。
おかしな話ですが、息子の学校の文化祭に行くとなぜか受験生の頃の気分を思い出してしまい、朗らかな雰囲気に「うわー、この雰囲気は息子に合ってるなぁ、ここに入れたらいいなぁ」と思ってしまいます。
次の瞬間、「あ、もう通ってるんだった・・」と気づくのですが。最初は第一志望、その後第二志望となった学校ですが、今はここで良かった!と思います。
そして下の子の場合。高みを目指すタイプだったので学校選びも「上を目指す」。
最初は「女子校はつるんだり、いじめが多そうでイヤ。共学が良い」と言っていたのに、「桜蔭と女子学院は、自分に自信があるから他人に干渉しない」「女子学院は、むしろ『つるまない』ことを良しとする」ということを先生方や書籍などから知り、いつの間にか本人自身が志望校として目指すように。
それこそ女子校は数も多く校風も様々。生徒の個性を重んじる学校、ミッション系の学校、少人数制、英語教育教科、大学付属や推薦枠が多い等々・・・
特色も多いのできっと自分に合った学校があるはずです。
中学受験は、偏差値の高さや通学のしやすさを最重視して選ぶという考え方もあると思いますが、我が家は子供が6年間過ごす場所として、校風を第一優先としました。
「どんな子にも、その子にあった学校があり、それを選ぶことが出来る」
それが、中学受験の最大のメリットだと思います。
最近は中高一貫校だと高校から入れる学校数が非常に少なくなっており、高校受験ではここまで幅広い選択肢はありません。
同じくらいの偏差値帯の学校であっても、各学校での校風・教育方針・生徒の雰囲気は驚くほど違います。
学校ホームページや噂話だけではなく、できる限り実際に学校へ足を運んで、先生の話や通学する生徒の様子を見て頂きたいです(良いことばかり言う説明会を行う学校はちょっと要注意!)。
じっくり時間をかけて、それぞれのお子さんに「ここは合う!」と思える学校を探してみて下さい。
もちろん、「中学受験」をするとなれば、小学生といえども受験勉強は必須です。そこに関しての負荷も親子ともに当然あります。お金もそれなりにかかります。
「何かを得るためには、何かを捨てなければならない」とよく言われますが、「受験」にまさにこの言葉が当てはまると思います。
苦しいこともあったけど、それを超えたときの達成感や喜びの大きさはきっと多くの人が体感しているでしょう。もしうまく行かなかったとしても、その努力から得られたものはきっと大きいはず。
各ご家庭のポリシーによるところも大きいですが、お子さんに必要なもの・笑顔にさせられるものは何かを考えながら、「我が家は中学受験すべきか?そこから何が得られるか?」を考えてみると良いのではないでしょうか。