女子学院中学校の学校説明会メモです。改めて、学校の教育方針と入試形式はまさに連動しているんだなと感じました。「広く深く」がキーワードかと思います。
教育方針について
- 先が見えない社会でこれから何が必要か→人間の基盤がしっかりしていること。「みんながこうだから」といった考え方では立ち行かない。
- これから生きていく上での軸となる人格教育とは?→何事にも適応できる柔軟性を有すること。何かのプロになるのは素晴らしいが、それが崩れても生き抜けるようにする。寄り道・回り道も大事。自己を見失わず、しっかりと立てる人に(自主自立)
- 相手を自分と同じ考え方には出来ない。多様性が大事
- キリスト教教育(人間観)・・「自己」と「他者」があるが「人はどちらも上から作られた存在」。他人が自分と違う意見であっても、自分と同じく作られたものであり、その意見を排除・否定せず「協働」の道を考える。様々な意見による化学反応があり、自分に無かったものを取り入れていく
- 「賜物」を活かす。他の人と比べるのではなく、自分をどこまで育てられたのか、それを人のために使えたのかを考える
- 賜物に気づくために・・・広い視野を持つ必要あり。幅広く様々な興味関心を持ち(それぞれの可能性を捨てずに)深く掘り下げ、横に繋いでいくことで、土台のしっかりした大きく伸びる「木」が出来る
- そのために授業では高2まで全教科行う(理系文系に分けない)。リベラルアーツという言葉があるが、そういった言葉が出てくる以前から実施
- 自ら考え発信できる人に・・・盲目的に同じことを信じてはいけない。「100人が100人同じ方向を向いたら失敗」と考えている。社会からの要請へ無条件に従うことの危うさは、過去の歴史が物語っている。健全か否かを感じ取れる感性と、口を閉ざさない勇気、判断基準を持ってほしい
授業について
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- 90分授業。双方向型がメイン
- 土曜日は授業無しだが、中1の90%はクラブ活動あり
- 予備校的なことはやらない。特定の大学は勧めない。「将来どうしたいの?ここにはこんな先生がいるよ」という指導をする。長い目で、広い視野で
- 週1回は聖書の授業(道徳の代わり)。聖書はルールブックではなく事例が書かれている。一方的な押し付けはせず「あなたはどう考えるのか」を生徒に問う。
- 平和教育・・キリスト教に基づき「生徒自身に考えてもらう」(教えない)。様々な立場の人を呼んで講演。どう受け止めていくのかは生徒によって異なる
- JGにおける暗黙のルール:まず聞く、受け止める。そして自分はどう思うか話す。お互いに「排除されない」という安心感がある
- 主体性を学ぶ方法・・・話し合いの時間を多くとっている。責任を伴う議論をするため、生徒は授業準備をが必要。資料や本をしっかり読み込んでこないといけない
myコメント(余談です)
最近の風潮として、社会で即戦力となる人材を作るという目的で大学へ、更には高校以下に対しても色々と要求されていることが多いように感じます。しかし世の中の変遷が激しい中、「いま」の社会の要請に応えたところで時代とともに求められるものも変わってしまう。
むしろ中高時代だからこそ、もっと「自分の頭で考える訓練をする」「試行錯誤や、失敗を繰り返して学ぶ」ことが必要なのでは?と考えています。学校という安心できる場で、様々なことに自分から挑戦したり、または先生方や周囲の友達からいろんな刺激を受けたりして、人間的にも成長してほしい。
今の時代、ネットがあれば自分からどんどん世界は広げられるし、私自身仕事上の経験から、新しいノウハウやツールは個人的にも習い事の中でもある程度修得できるものだと思っています(プログラミングなどはその最たるものかと)。
それよりも「学校という場でしか学べないこと」「親(というか私)や塾では教えられないこと」を学校から得てほしい・・そんなことを考えているので、院長先生のお話をとても興味深く伺うことが出来ました。