6年生後半「志望校別サピックスオープン」の意味
6年生の秋に行われる「志望校別サピックスオープン(SO)」。通年ですと9月と11月に実施されますが、このSOの対象となる中学校の受験予定者にとって、この試験はかなり大事。それは、このテストの受験者はほぼ本番での受験者層となるからです。
サピックス以外の塾に通う生徒は通常通う塾の中での自分の位置は把握しているものの、難関校に関してはサピックス生を含めて判断が必須。そこでサピックスオープンの場で、多くのサピックス生を含めた「リアルなライバル」とともに同じテストを受け、自分が位置する層(合格ラインのどこに居るのか)を確認することが必要です。
9月に行われる第一回目は受験しない人もまだ多め、かつ受験者層もまだ多少揺らぎがある状態ですが、11月に行われる第二回目は入試本番まであと3ヶ月という時期であり、「この学校を受ける」と決めた受験者がほぼ揃ってきているので(受験者人数の推移から考えても)、少なくとも受験者層については本番にかなり近い状態になっています。
そのため、志望校別SOについては極力「受験すべき」でしょう。会場は本番とは異なりますが、結果判定などのデータはもちろん、現時点での学力面での抜け漏れ確認ができるといったメリットの他に、入試本番と同じ様式と時間配分での受験、同じ学校を目指すライバルたちの中でテストを受けるという緊張感や雰囲気なども良い練習になります。
「合格率」をどう読むか?「合格率50%」とは?
これについては様々な意見があります。合格率80%が取れたからといって本番で合格できるとは限らないし、その逆も然りです。小学生なので当日のコンディションや、当日の問題との相性、得意不得意による学習のムラなど色々変動要素はあると思います。
ただ、これはサピックスの先生が保護者向け説明会で話していたことですが、このテストで「合格率が50%あれば、合格できる力を持っていると判断する」そうです。これ、けっこう知られていないように思うのですが、模試主催者であるサピの先生からの話なので間違いはないでしょう。
通常「50%」と聞くと(日能研でいうとR3)、「合格にはまだ足りない」という印象を持ってしまいがちです。でも合格率50%ラインといえば、単純にいって「半数の子が合格するライン」であり、かつ受験生はまだ小学生であることから「入試が2回あったとしたら合格者の半数は入れ替わる」という話さえあるくらいなので、確かにここで諦めてしまっては勿体ない。
苦しいところですがここで諦めず、志望校対策や抜け漏れの埋めをあと少し頑張ることで、合格をつかめる位置な訳です。逆にここで「たった50%」という認識も持ってしまうと(親と子どちらか、または両方)、モチベーションにも大きな影響が出て、気持ちで負けてしまうのではと思います。
合格体験記で、よく「いちばん大事なのは、合格するんだという気持ちを持ち続けることです」と書かれているのを目にしますが、やはり諦めず最後のひと踏ん張りが出来るかが大事です。
「合格率が30%・20%台」の場合・・これはちょっとつらいですが、塾の先生から聞いた話ですと志望校再考の可能性があるようです。どうしてもチャレンジしたいのであれば塾の先生へ相談の上、併願校対策を確実に行うなどの準備が必要かと思います。
サピックスオープンと公開模試の日程が重なった場合
これはサピックス以外の塾に通うお子さんの場合ですが、たとえば日能研の公開模試や育成テストと、志望校別サピックスオープンの日程が重なってしまった!という場合はどうなるか?一番気になるのは「塾での席順」ではないでしょうか。
これに関しては、日能研はいくら6年だろうと、理由がSO受験であろうと、ルールどおり「テスト欠席者は末席へ」でした。クラスの変更は無し。
娘の場合、これが初めての「テスト欠席」だったのですが、結構ショックを受けた様子。普段はだいたい1列目にいたのですが、一番後ろの席だと黒板から遠く、先生からも遠いので気軽に先生とのやりとりが出来ない。手を挙げても指してもらえず(偶然かもしれませんが)、塾から帰宅した後「早く元の席に戻りたい~!」とよく叫んでいました。
2週間後に塾内テストがあり、ようやく元の席に戻れましたが、「もう後ろの席はいやだ」と言い、12月に申し込んでいたサピックスの模試(これも日能研のテストと日程重複)は結局受けずじまいに。
塾によってテスト欠席時の扱いは異なると思いますが、受験生本人には無条件で末席になることはかなり精神的にも堪えるようです。娘の場合は、それでもサピオープンを受けて良かったと思っています。ちなみに早稲アカでは、サピックスオープンのある日曜日は「皆が受けるだろうから」とのことで(先生が説明会でそうおっしゃっていました)そもそもNN実施日から外されていました。心配無用ですね。
まとめ
6年秋以降は模試だけでなく最後の学校説明会や入試問題説明会などもあり、どれに行くべきか迷うこともあると思います。親だけの参加で済むのならそうすれば良いですし(私も第2志望校等の入試問題説明会は親だけで行きました。それで十分でしたよ)、お子さんとも相談しながら決めてみてください。