大手塾は「小3の2月」の入塾がメジャー
中学受験における塾のカリキュラムでは、2月が新年度の開始月。中学受験は1月あたりから始まり、2月の1週目が受験時期のピークです。
この時期、6年生対応が最優先されるために5年生以下は休講。そして2月の2週目あたりからいよいよ「新学年」としての授業が開始されます。
この時期から多くの新4年生(といっても実際は小3)が、約3年間に渡る受験勉強をスタートさせます。
入塾説明会は随時受付されており、事前に入塾テストがある所が多いです。事前に各塾のHPから情報収集を行っておくことが大事です。
大体小3の夏あたりから情報収集、秋から冬にかけて入塾テストを受けているご家庭が多い印象でした。
我が家の場合、入塾テストは小3の11月に受け、1月に新4年生保護者向けの入塾説明会がありました。
印象的だったのは、この入塾説明会がちょうどS東中学校の合格発表日当日に当たり、説明会の冒頭挨拶で教室長が、
「6年生は昨日からいよいよ受験本番を迎えています。今も生徒たちから、続々とS東中の合格連絡が届いています」
と話されていたこと。こちらの身も引き締まる思いがしました。
小学5年生からの入塾は?
小5から入塾するお子さんもいましたが、今の保護者世代が小学生だったころと違って今の中学受験はレベルが上がっているので、昔の感覚をもとにした判断は禁物です。
今でも小5から入塾してくるお子さんもいますが、大体がある程度の先取り学習を家庭で進めていたり(四谷大塚の「予習シリーズ」は個人で購入できるので、それを使って勉強しているお子さんなど)。
進度はまだ穏やかとはいえ小4の1年分はカリキュラムは進んでいるので、5年生からの入塾を考える場合は家庭内でしっかり準備してきておくことが必要です。
また、各大手塾でも授業の進め方やテストの回数・形式などが異なります。「何とかなるかな」と思っていてもお子さんが辛くなってしまうこともあるかもしれません。
カリキュラム進度や雰囲気、同級生関係などの要因で、通い始めた塾が万が一お子さんに合わず転塾を考えることになった場合でも、4年生のうちであれば影響は殆どないでしょう。
転塾可能なリミットは一般的に「5年生の夏休み」まででしょうか。2学期に入ると徐々に6年生=受験生に向けた各種準備と、カリキュラムも最後の追い込みと重なってくるので、無理ではないもののお子さんには相当負担はあると感じます。
受験に向けた体制作りやリスク対応の面からも、新4からの入塾が安心です。
小学1・2年生からの通塾って必要?
大手の中学受験塾の中には、幼児や小学1年生からの通塾クラスや通信教材を用意しているところもあります。
ただ、その時期はまだ「受験準備」ではなく、ひらめき問題などで発想力を鍛えたり、理科や社会などにつながるような実験的・社会的な経験を促すなどのあくまで「習い事」としての内容がメインです。
お子さんが楽しいと思えるのであればやってもいいと思いますが、これらが小6時の受験結果に直結しているとはいえないと思います。
「中学受験塾に通い出す前に、何かやらせておきたい」という気持ちも親としては分かるのですが、単に塾名だけにこだわるのではなく、体験教材を取り寄せて実際にお子さんに渡してみるなど、中身を確かめることは必要です。
我が家の場合は、親が共にフルタイム勤務のため平日夕方に子供を塾に連れて行ったりできないことから、勉強は主に家の中で、くもんの通信を小3までどんどん進めていました(算数・数学は中1レベルまで+英語と国語)。結果的にこれで十分でした。
5年生からは通塾日数や勉強量でお子さんの負担が増え、6年生になればほぼ勉強漬けの毎日になります。
あまり早い時期からスパートを掛けてしまうと、お子さんが疲れてしまって6年生になる頃には失速してしまうこともあります。
また、同じ塾の系列であっても4年生からの内容は大きく変わるのですが、低学年から通塾しているお子さんが油断してしまい、その変化についていけないこともあると聞いたことがあります。
低学年は無理に通塾させる必要はあまり無く、むしろその時の年齢に合った遊びやほかの習い事での経験をたくさん積んだ方が、人間的にも、そして実は中学受験のためににも良いと今は言えます。
ただ、入塾までにある程度の「準備」は必要です!また別の記事で書きます。